コーヒーは「生豆(グリーンコーヒー)」と「焙煎コーヒー(浅煎り~深煎り)」で含まれる健康成分の種類と量が大きく変化します。それぞれの特徴を見ていきましょう。
【生豆(グリーンコーヒー)】
クロロゲン酸類
ポリフェノールの一種で抗酸化作用が強い。血糖値上昇抑制、脂質代謝改善、抗糖化作用などの研究がある。焙煎すると大部分が分解されるため、生豆に最も豊富に含まれる。カフェイン
覚醒作用、脂肪燃焼促進、集中力維持などに働く。生豆と焙煎豆で含有量は大きく変わらないが、焙煎度合いによって重量あたりの濃度に差が出る。トリゴネリン
ナイアシン(ビタミンB3)の前駆体。抗菌作用や神経保護作用が報告されている。焙煎中に分解され、香り成分やナイアシンに変化する。ミネラル類
マグネシウム、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛などが含まれる。焙煎によって大きな減少は起きにくい。アミノ酸類
タンパク質やペプチドとして存在し、焙煎中にメイラード反応の素材となり、香味成分や褐色色素に変化する。
【焙煎コーヒー(浅煎り~深煎り)】
クロロゲン酸類の減少と分解物
焙煎によって大きく分解され、量は大幅に減る。ただし分解物であるキニン酸やカフェ酸にも抗酸化作用や消化促進作用がある。浅煎りの方がクロロゲン酸は多く残る。ナイアシン(ビタミンB3)
トリゴネリンが焙煎で変化して生成される。エネルギー代謝に必須のビタミンであり、深煎りになるほど増える。メラノイジン
焙煎過程で生成される褐色色素。抗酸化作用や腸内細菌叢への良い影響が研究されている。深煎りの方が多い。揮発性香気成分
カフェオール、フルフラール、ジメチルスルフィドなど数百種類に及ぶ。直接的な栄養素ではないが、抗酸化や抗菌作用を示すものもある。カフェイン
熱に比較的安定しており、大きな変化はない。ただし焙煎によって豆の重量が減るため、浅煎りの方が重量あたりのカフェインはやや多い。
【まとめ】
・生豆はクロロゲン酸やトリゴネリンといったポリフェノール系・前駆体成分が豊富で、抗酸化・抗糖化などの健康効果に直結する成分が多い。
・焙煎豆はクロロゲン酸が減少する一方、ナイアシンやメラノイジンなど新しい成分が生成される。浅煎りではポリフェノール、深煎りではナイアシンやメラノイジンが相対的に豊富。
グリーンコーヒーと焙煎コーヒーを上手に組み合わせることで、それぞれの栄養成分をバランスよく摂取することができます。
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