グリーンコーヒー(未焙煎コーヒー)が「血液をサラサラにする方向に働く」と考えられる根拠は、主に血管内皮機能の改善、血小板凝集の抑制、酸化ストレス低減に関する研究結果に基づいています。以下に、成分ごとにヒト試験・動物試験・レビュー論文を中心としたエビデンスを整理します。

クロロゲン酸類
グリーンコーヒーの主成分で、焙煎により大幅に減少します。
エビデンス
・ヒト介入試験において、クロロゲン酸摂取が血管内皮機能(FMD:血流依存性血管拡張反応)を有意に改善したことが報告されています。血管内皮機能の改善は血流の円滑化と血液粘性低下に直結します。
(Suzuki et al., Hypertension Research, 2006)
・クロロゲン酸は一酸化窒素(NO)産生を促進し、血管拡張を引き起こすことが示されています。NOは血小板凝集抑制因子でもあります。
(Mills et al., Journal of Agricultural and Food Chemistry, 2015)
・動物実験では、クロロゲン酸が血小板凝集を抑制し、血栓形成リスクを低下させることが確認されています。
(Cho et al., Food and Chemical Toxicology, 2010)
フェルラ酸
クロロゲン酸が腸内細菌によって代謝されて生じる主要代謝物です。
エビデンス
・フェルラ酸はヒト血小板を用いたin vitro試験で、ADP誘導性血小板凝集を有意に抑制しました。
(Ohnishi et al., Journal of Nutritional Biochemistry, 2004)
・ラット試験では、フェルラ酸投与により血液粘度が低下し、微小循環が改善したことが報告されています。
(Kwon et al., Clinical Hemorheology and Microcirculation, 2007)
・抗酸化作用によりLDL酸化を抑制し、血管内皮障害を防ぐ点も血流改善に寄与します。
カフェ酸
クロロゲン酸の構成成分の一つで、未焙煎豆に比較的多く含まれます。
エビデンス
・カフェ酸は血小板凝集を抑制し、血栓形成を抑える作用を示しました。
(Huang et al., Thrombosis Research, 2004)
・抗炎症作用により血管内皮の慢性炎症を抑制し、結果的に血液の流れを改善することが示唆されています。
トリゴネリン
未焙煎状態で多く含まれるアルカロイドです。
エビデンス
・動物試験において、トリゴネリンは血管拡張作用を示し、末梢血流を改善しました。
(Yoshinari et al., Journal of Pharmacological Sciences, 2009)
・血糖コントロール改善作用が確認されており、高血糖由来の血液粘性上昇を間接的に抑制する可能性があります。
(van Dijk et al., Nutrition Reviews, 2009)
カリウム・マグネシウム
グリーンコーヒーに微量含まれるミネラル成分です。
エビデンス
・カリウム摂取量が多いほど血圧が低く、血流が良好であることが疫学研究で示されています。
(Whelton et al., BMJ, 1997)
・マグネシウムは血管平滑筋を弛緩させ、血流抵抗を低下させることが報告されています。
(Houston, Journal of Clinical Hypertension, 2011)

総合評価
グリーンコーヒーは、抗血栓薬のように直接血液を薄めるものではありません。
しかしながらクロロゲン酸を中心としたポリフェノール群が
・血管内皮機能の改善
・血小板凝集の抑制
・酸化ストレスと慢性炎症の低減
を通じて、血液が滞りにくい生理状態を維持する方向に働くことが、複数の研究から支持されています。特に、未焙煎であること、継続摂取、腸内環境が整っていることが、これらの作用を引き出す重要な条件と考えられています。

コメント