コーヒーの成分が血液の巡りを良くする
全国的に気温が低い季節となりました。気温が低下することにより血液の巡りが悪くなる傾向があります。コーヒーには、血液の循環を改善する効果が期待される成分が複数含まれています。今回は、その主な成分と、それぞれの働きについてみていきましょう。
1. カフェインの血管拡張・収縮作用
カフェインは一時的に血管を拡張し、血流を促進する働きがあります。具体的なメカニズムは以下の通りです。
● 一酸化窒素(NO)産生の促進
カフェインは血管内皮細胞の働きを高め、一酸化窒素(NO)の生成を促します。NOは血管を拡張し、血流を改善する重要な物質です。
● アデノシンの阻害
カフェインは「アデノシン」という神経伝達物質の作用を抑えることで、血管の過剰な収縮を防ぎ、血流を維持する働きがあります。
● 交感神経の活性化
カフェインは交感神経を刺激し、心拍数を上げることで血流を促進します。ただし、過剰摂取すると逆に血管を収縮させることがあるため注意が必要です。
2. ポリフェノール(クロロゲン酸)の抗酸化作用
コーヒーにはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が豊富に含まれています。クロロゲン酸は抗酸化作用が強く、血流の改善に役立ちます。
● 動脈硬化の予防
クロロゲン酸は血管の酸化ストレスを軽減し、動脈硬化の進行を抑える働きがあります。血管の柔軟性が維持されることで、血液の流れがスムーズになります。
● 血圧調整
クロロゲン酸は血圧を適度に低下させる効果があり、血管の健康を保つのに役立ちます。特に高血圧の人には血流改善のメリットが期待されます。
3. ニコチン酸(ビタミンB3)の血行促進作用
コーヒーに含まれるニコチン酸(ナイアシン)は、血管を拡張し、末梢血流を良くする作用があります。
● 毛細血管の拡張
ナイアシンは血管を広げ、手足の先などの末端部分まで血液を行き渡らせる効果があります。冷え性の改善にもつながるとされています。
4. マグネシウムの血圧調整効果
コーヒーにはミネラルの一種であるマグネシウムが含まれており、血圧の調整や血管の健康維持に役立ちます。
● 血管の弛緩と拡張
マグネシウムは血管平滑筋の弛緩を促し、血管を広げて血流をスムーズにします。
5. 血液の粘度を下げる作用
一部の研究では、コーヒーの成分が赤血球の柔軟性を高め、血液の粘度を下げることで、血液の流れを良くする可能性が指摘されています。これにより、血液の循環がスムーズになり、動脈や静脈の詰まりを防ぐ働きが期待できます。
6. コーヒーの摂取と血流改善の科学的エビデンス
✅ 研究例1:カフェインの血管拡張作用
ある研究では、カフェインを摂取した後、血管の拡張が見られ、血流が改善されたことが報告されています。
特に運動時にカフェインを摂取すると、筋肉への酸素供給が向上し、パフォーマンスの向上が期待できることが示唆されています。
✅ 研究例2:クロロゲン酸と血管機能
クロロゲン酸が豊富なコーヒーを飲むことで、血管の弾力性が向上し、動脈硬化のリスクが低下することが確認されています。
7. コーヒーの摂取方法と注意点
✅ 血流を改善するための飲み方
ブラックコーヒーが最適(糖分やクリームを加えすぎると逆効果)
1日2~3杯が適量(過剰摂取は血圧の上昇を招く可能性がある)
運動前に摂取すると効果的(血流が良くなりパフォーマンス向上)
⚠ 過剰摂取に注意
カフェインの過剰摂取は血圧を上昇させ、逆に血管を収縮させる可能性があるため、適量を守ることが重要です。
結論
コーヒーのカフェイン、クロロゲン酸、ナイアシン、マグネシウムといった成分は、血管を拡張し血流を改善する働きを持っています。適量を摂取すれば、血液の巡りを良くし、冷え性改善や動脈硬化予防に役立ちますので、飲みすぎには注意して楽しみながら取り入れていきましょう。
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