今年の夏もかなりの暑さを記録しましたが、10月に入り一気に秋が深まり気温も低下してきました。これからは寒さ対策に関心が集まります。グリーンコーヒー(生豆)には、血流改善や体温維持に関係する成分が複数含まれています。冷え性の改善に寄与する可能性がある主な成分は、クロロゲン酸、マグネシウム、カリウム、少量のカフェインに加えて、ナイアシン、鉄、ポリフェノール類(クロロゲン酸以外)なども挙げられます。以下にそれぞれ詳しく説明します。

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クロロゲン酸
グリーンコーヒーの最も特徴的な成分で、焙煎豆では大部分が失われます。ポリフェノールの一種で、抗酸化力と血管拡張作用が知られています。
主な作用は以下の通りです。
・一酸化窒素(NO)の産生を促進し、末梢血管を拡張して血流を改善する。
・酸化ストレスを抑えることで血管内皮を保護し、血流の滞りを防ぐ。
・脂肪代謝を活性化させ、熱産生を高める。
・血糖コントロールを改善し、エネルギー利用効率を高める。
これらの作用により、身体の末端まで温かい血液を循環させ、冷えの軽減につながると考えられます。
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マグネシウム
グリーンコーヒーはミネラルが比較的多く、特にマグネシウムは焙煎豆よりも残存量が高いとされます。
主な作用は以下の通りです。
・血管平滑筋を弛緩させ、血流を促進する。
・交感神経の緊張を抑え、血管収縮を防ぐ。
・エネルギー代謝を支え、熱を生み出す働きを助ける。
マグネシウムが不足すると血管が硬くなり、冷えやすくなることが知られています。
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カリウム
カリウムは体内のナトリウムとのバランスを保ちながら血圧を安定させるミネラルです。
主な作用は以下の通りです。
・過剰なナトリウムを排出し、血流の滞りを防ぐ。
・体液バランスを整え、むくみを軽減する。
・循環が改善されることで、手足の冷えが和らぐ。
カリウムは利尿作用を持ち、体内の水分代謝をスムーズにすることで間接的に体温調節に関与します。
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カフェイン
グリーンコーヒーにもカフェインが一定の量を含みます。
主な作用は以下の通りです。
・中枢神経を刺激して代謝を促進し、一時的に体温を上げる。
・脂肪酸をエネルギーとして利用しやすくし、熱産生を高める。
・血流を促すことで体の冷えを軽減する。
ただし、過剰摂取は末梢血管の収縮を引き起こす可能性があるため、適量摂取が望ましいとされています。
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ナイアシン(ビタミンB3)
グリーンコーヒーには、ビタミンB群の中でもナイアシンが比較的多く含まれています。
主な作用は以下の通りです。
・エネルギー代謝に関与し、体内での熱産生を高める。
・血管拡張作用があり、血流を改善する。
・皮膚温度を上昇させる作用が報告されており、冷えを和らげる助けになる。
ナイアシンは細胞内の代謝酵素に働きかけ、体の内側から温める要素を持つビタミンです。
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鉄
グリーンコーヒーの微量ミネラルの中に鉄分が含まれています。
主な作用は以下の通りです。
・ヘモグロビンの構成成分として酸素を運搬し、末梢組織の酸素供給を助ける。
・酸素不足による代謝低下を防ぎ、体の熱生産を支える。
鉄が不足すると、血液の酸素運搬能力が低下し、結果的に冷えを感じやすくなります。
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その他のポリフェノール類
クロロゲン酸以外にも、グリーンコーヒーにはフェルラ酸やカフェ酸などのポリフェノールが含まれます。
主な作用は以下の通りです。
・血管内皮の機能を改善し、末梢循環を良くする。
・抗酸化作用によって血管の柔軟性を保つ。
・冷えの原因の一つである血管収縮や炎症を軽減する。
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まとめ
グリーンコーヒーには、血流改善や体温維持に関係する成分が多く含まれています。特にクロロゲン酸、マグネシウム、カリウム、ナイアシン、鉄、ポリフェノール類は、血管の拡張、酸素供給の促進、代謝の活性化といった複合的な作用を通じて冷え性の改善に役立ちます。これらの成分は焙煎によって減少するため、生豆の状態で摂取できるグリーンコーヒーは、冷えが気になる人に適した飲み物といえます。

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