今回はグリーンコーヒーの成分が歯の健康に与える影響について、科学的に知られている点を中心に整理します。なお、研究数としては緑茶ほど多くはなく、作用は「可能性」や「示唆」の段階のものも含まれます。

クロロゲン酸類
グリーンコーヒーに最も多く含まれるポリフェノール群で、焙煎によって大きく減少します。
歯周病菌への影響
クロロゲン酸には抗菌作用があり、歯周病関連菌の増殖抑制が報告されています。これにより、歯肉炎や歯周炎の進行を抑える可能性があります。
抗炎症作用
歯周病は慢性炎症性疾患ですが、クロロゲン酸は炎症性サイトカインの産生を抑制する作用が知られています。この作用は歯肉の腫れや出血の軽減に寄与する可能性があります。
抗酸化作用
歯周組織では酸化ストレスが組織破壊に関与します。クロロゲン酸の抗酸化作用は、歯肉や歯槽骨の酸化ダメージ抑制という観点で間接的に歯の健康を支える可能性があります。
フェルラ酸(クロロゲン酸の代謝物)
クロロゲン酸は体内や腸内細菌によってフェルラ酸などに代謝されます。
歯周組織保護
フェルラ酸には強い抗酸化・抗炎症作用があり、歯周病に伴う歯槽骨吸収を抑える可能性が動物実験レベルで示唆されています。
口腔内環境の安定化
活性酸素の抑制は、歯肉の老化や修復能力の低下を防ぐ方向に働くと考えられます。
カフェイン
グリーンコーヒーにもカフェインは含まれています。
唾液分泌への影響
カフェインには軽度の利尿作用・交感神経刺激作用があり、人によっては唾液分泌が低下します。唾液量が減ると、虫歯や歯周病リスクが上昇します。
グリーンコーヒーの場合
焙煎コーヒーより刺激が穏やかなため、唾液抑制作用も比較的軽いと考えられますが、体質差は大きい点に注意が必要です。

ポリフェノールによる虫歯リスクへの影響
虫歯原因菌(Streptococcus mutans)への作用
クロロゲン酸や関連ポリフェノールには、S. mutans の増殖や歯面への付着(バイオフィルム形成)を抑制する可能性が示されています。
酸産生抑制
虫歯は糖を代謝して酸を作ることで進行しますが、ポリフェノールはこの酸産生過程を弱める方向に働く可能性があります。
着色(ステイン)への影響
焙煎コーヒーとの比較
焙煎コーヒーはメラノイジンなどの褐色物質が多く、歯の着色リスクが高いですが、グリーンコーヒーにはこれらがほぼ含まれません。
実際の影響
理論上、歯の着色リスクは焙煎コーヒーより低いと考えられます。ただし、ポリフェノール自体がわずかに歯面に吸着する可能性はあります。
酸性度とエナメル質への影響
pHの観点
グリーンコーヒーは弱酸性であり、砂糖入り飲料や炭酸飲料ほどエナメル質を脱灰するリスクは高くありません。
注意点
長時間かけて少量ずつ飲む、口の中に長く含むといった習慣は、エナメル質への酸ダメージをわずかに高める可能性があります。
総合的評価
歯周病予防という観点では
抗菌・抗炎症・抗酸化作用を持つクロロゲン酸を豊富に含む点で、グリーンコーヒーは歯周組織にとってプラスに働く可能性があります。
虫歯・着色という観点では
砂糖を加えなければ虫歯リスクは低く、着色リスクも焙煎コーヒーより小さいと考えられます。
注意点
カフェインによる唾液低下や、飲用後の口腔ケア不足はマイナス要因になり得ます。
まとめると、グリーンコーヒーは適切な飲み方(無糖、飲用後に水を飲む、通常の歯磨きを継続)を前提とすれば、歯の健康、とくに歯周病予防の観点で比較的相性の良い飲料と位置づけることができます。

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